乗れる波を見極める方法
サーフィンは、自然環境の中で行われるもので、様々な条件によって発生し変化する波の斜面をサーフボードを使って滑走するものです。海底の地形、風、潮位、うねりなど様々な自然条件の影響により常に違ったブレイクをする波を相手にするので、できるだけよい条件の波を見極めることが重要になってきます。より多くの良い波を捕らえて、より多くの回数のライディングをすることが上達を促すことになり、なによりサーフィンをより楽しむことができます。どうしたらよりサーフィンを楽しめる波を見極めることができるのか紹介していきます。
基本 サーフィンは、通常右や左にブレイクしていく波のフエイスを滑っていくものですから、まず波が左右いずれか、もしくは両方に向かって徐々にきれいにブレイクしていることが必要です。波が徐々に崩れていくことを「割れる」、または「ブレイクする」と言い、海に入る前ブレイクしている波をよく観察しましょう。
ブレイクの種類
風
きれいなブレイクには岸から沖に向かって吹く程よいオフショアの風と無風がベストです。波の斜面がきれいに整い(面ツル)気持ちよくライディングできます。
反対にサイドショア(岸に並行に吹く風)やオンショア(沖から岸に向かって吹く風)が強く波の斜面はガタガタしているがその風波によって発生したショアブレイクでもサーフィンが可能です。
ポイントによってベストな風向きが違うのでポイントがどの方角を向いているか、風の強さや風向きをチェックしておきましょう。
潮 潮の満ち引きにより波質も変化します。潮があげてくると波が厚くダラダラとブレイクする場合や、潮が引いて波が掘れてブレイクすることもあります。
波はあるが潮が引きすぎたり、うねりの向きによって、一気にブレイクし斜面がほとんどないコンディションをダンパーと言い、切れ目を選ばない限りサーフィンに適さない状況もあります。
地形 ビーチの場合、遠浅があるように砂がたまっている場所にうねりがぶつかりブレイクします。サーファー同士の会話では「~ポイントに今砂がついて地形がきまってるよ」などの情報が交わされます。ビーチの地形は台風などの影響で砂が動き変化します。反対に地形が悪く深くなってしまっていると波が割れづらくなります。
リーフポイントでは地形の変化がほとんどないため、うねりの向きや風向き、潮によって決まったブレイクを狙いやすいとも言えます。
波を見極めるには
上記情報を踏まえ、まず海に入る前にポイント全体の様子をよく観察するようにします。そして、ポイントの状態や混み具合から自分の技量に合わせ乗れそうな場所を選んで海に入ります。
海に入ってしまうとどうしてもポイント全体の様子やブレイクの状態を把握することが難しくなってしまうので、まず風向き、波の高さ、うねりの入り方、アウトサイドとインサイドのブレイクの状態と混み具合やそれぞれ場所でのサーファーの様子(波待ちのポイントやテイクオフの様子など)から自分の技量に合わせたポイントを選びましょう。
また、リップカレント(岸から沖に向かう流れ)のある場所(ゲッティングアウトの際に利用するのと楽に沖に出られる)もよく観察しましょう。
全体の様子を把握できたら、自分が出ようと思うポイントのブレイクの状態に注目して観察しましょう。セットの様子や、波が遅く厚めの波なのか、それとも掘れた速い波なのかを判断します。ブレイクはレギュラーなのか、グーフィーなのか(そのポイントで割れた波は左右どちらに崩れていくか)、ブレイクはクリーンなのかそれともジャンク気味(海面がガタガタついてたりまとまりがない)なのかなど大まかにとらえておくことも重要です。波だけで判断するのが難しいときは、そのブレイクポイントの周りのサーファーのテイクオフやライディングの様子を見ると参考になりますので、よく観察しましょう。
まとめ 波を見極めるうえでは多くの知識が必要かと思われるかもしれませんが、決まった地域で何回も通うことである程度判断が簡単になってきます。
ポイント全体の様子を観察し実際に海に入るが波待ちをしていると、ポイントを見渡したときに得た感覚と違う場合もあります。波は一刻一刻と変化していきますので現場の判断を優先し、またその知識も知れずと蓄積され、よりよい波になりそうな波を見極めることができるようになります。