海や波が怖い人に試してほしいこと
サーフィンは海での遊びということが大前提です。海への恐怖心、「足がつかない」「波が大きい」などの理由でときに自分の内面では常に恐怖心が付きまといます。そんな恐怖心を克服するには、まず恐怖心を理解し、どうしたら過度の恐怖心を抑えることが出来るのかを考えてみることも必要になります。
恐怖心とは
恐怖心とは、目前で起きている、もしくは起きようとしている事態に対して、それにうまく対応できないのではないかという不安から極度の緊張感が発生し、失敗の予測を立て、それを回避しようとするもので、誰もが持ちうるものです。危険回避のための本能的反射でもあります。
人の持つ生存本能ゆえの危険回避行動に必要なものなので、特別なことではありません。
もし、恐怖心を持つことがなければ、危険を事前に察知、もしくは予測し、命を守ることができなくなることも考えられます。むしろ無いほうが異常で、生きていくうえで必要不可欠な要素になります。
海に対する恐怖心を分析してみよう
わたしたちがサーフィンにおいて感じる恐怖の根源も同じで、最終的には怪我や溺れるなどして、命に危険が迫るのではないかと言うものだと思います。
実際にパーリングして前のめりになってボードと一緒に波にもまれることを経験すると、ボードやフィンなどにぶつかって痛い思いをしたり、怪我をしたりするのではないかという不安を持つようになります。
一度そういった恐怖心を持ってしまうと、テイクオフのときにも思い切って波の先に出ることを躊躇してしまいます。その結果、無意識のうちに重心が後ろになっていて、腰が引けてしまいテイクオフが遅れ波のリップとともに放り出されてしまうこともあります。
波のサイズと力によっては、海底にたたきつけられて、左右上下の方向感覚を失いながら、息ができないという焦る気持の中で、もがきすぎてしまい海面に浮かび上がることができなくなります。
落ち着いて波が通り過ぎたときに息継ぎをして、セットが通り過ぎるのを待ってゆっくりと海面に戻ればいいのですが、そういう冷静さを奪ってしまうのが恐怖心の真の怖さといえます。
恐怖心に対する考え方
サーフィンの上達の過程では、常に新たな待ち受けている壁に挑戦し、それをクリアするというプロセスの繰り返しを経験します。できないものを、できるようにするためには避けては通れません。成功は度重なる失敗の末に辿りつくのが普通であり基本です。
失敗の経験の中で、痛みや、怪我や、恐怖を覚える経験をすることがほとんどです。この失敗の経験をすることで、失敗する不安と、失敗の恐怖が生まれるようになります。
それは失敗の原因が、乗り越えるべき課題に対して自分が未熟であることを実感し、同じ挑戦を繰り返すのは同じ失敗を繰り返すことであり、最挑戦することが危険だと感じるので、避けるべきだと判断するからです。
ここで挑戦を止めてしまえば、危険は無くなり、最も簡単な解決法と言うことになりますが、それでは上達を諦めることになってしまいます。上達をするためには、必ず恐怖心との闘いを克服しなければならないと言うことは明確です。
克服するには
上記で述べた理由から、フィジカルとメンタルの大きく二つの要素に分かれていることがわかります。
フィジカルとは、言い換えれば成功するために必要な体力や技術であり、メンタルとは冷静客観的な状況判断と困難に立ち向かう精神力を指します。
とにかく経験値を上げて技術(体力/技量)を磨く
フィジカルにおける解決は、体力向上の為のトレーニングと、練習の繰り返しによる技術の向上を目指します。同時に体幹や全身の筋力を向上させ、バランス感覚を磨き、持久力をつけることができます。
技術の向上のためには一般的には反復練習が必要になります。
海以外での練習も可能です。ランニングや筋肉トレーニング、息を止める練習など自分のライフスタイルと合わせて実行することで、フィジカルの改善につながり、失敗の恐怖心を乗り越えることができます。
なにより自信につながっていきます。
メンタルの改善は、このフィジカルの改善による自信の回復により軽減されることがほとんどです。また、波の小さいコンディションを選びリラックスして楽しむことをおすすめします。
それでも完全な解決ができない場合は、他のプロアスリートや上級者などみますと、ヨガや瞑想などを取り入れる人が多くいますので、取り入れてみることもいいかもしれません。
ヨガや瞑想はメンタル、フィジカルの両方に強く働きかけて、精神と肉体の調和、自然との融合、恐怖心や不安感をコントロールできるように感じられるためです。
まとめ
失敗の本質を見据えて分析することで、次の経験に生かすことを考えましょう。そして経験値をふやし、身体を鍛え、自信をもつことで気がついたら恐怖心を乗り越えることができています。
恐怖心を抱くは、サーフィン初心者から上級者、プロのアスリートにも共通することです。
挑戦ばかりではなく、時には波の小さなコンディションで楽しむこと優先すれば気持ちもリラックスし、恐怖心も薄れ乗りこなせる波も増えていくでしょう。